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ベタ基礎と布基礎のどちらがいいか?

 

最近の質問で2番目に多かったのがこの質問です。答える回答はいつも一緒なのですが、中堅どころから小規模のハウスメーカー・工務店が
『ベタ基礎は面で受ける分、線で受けている布基礎よりも強い!』
と宣伝しているので皆さんがそれを信じているようです。

実際はどうかというとその言葉は嘘ではありませんが全ては語っていません。布基礎に対し、ベタ基礎は面で受けているので基礎単体での沈下を考えると単位面積あたりの加重は軽いことは間違っていません。

しかし、それは限られた地耐力の範囲の話で、仮にものすごく固く(岩盤のような場所で沈下の恐れがない場所)であればどちらでも一緒でそうのような場所で沈下がおこるとすれば地盤ごとですからどちらでもいいことになります。また、そのような地盤の場合、基礎で重要になってくるのは根入れ深さとフーチングの厚みです。当然、根入れ深さが浅ければ地面に対し建物がちゃんと固定されていないわけですから建物が横に動いてしまいます。また、フーチングが薄ければ地震の時の横からの加重に耐えられなくなってしまいます。特にベタ基礎の場合は地中梁に関する工法がいくつもあるので要注意です。

また、逆に非常に軟弱な地盤の場合、布基礎であってもベタ基礎であってもなんらかの補強工事が必要とされます。一般的によく使われるのが柱状改良(ソイル)であったり、鋼管杭だったりします。その場合、柱状改良や鋼管杭(以降、支持杭)までは支持層(建物の加重を受けるのに充分な地盤)までいれます。結局はこの支持杭で受けるわけですから布基礎であろうとベタ基礎であろうと点で加重を受けることになります。この時点でベタ基礎の面で受けるメリットはありません。ただし、その際に重要なのは基礎自体の重さです。ベタ基礎は布基礎に比べると耐圧板の鉄筋の重さやコンクリートの厚さ分だけ重いのでもし同じ本数の支持杭を使うと1本当たりの加重は増えてしまいます。ですから、本来ならその分、支持杭の本数を増やさなければなりません。ここでよくあるのが布基礎を標準にしていた施工会社がベタ基礎に標準を換えて、支持杭の規準を換えずに同じ本数で設計しそのまま施工してしまうという問題です。また、注文住宅の場合、支持杭や地盤改良は別途工事になっていて最初のコストには入っていないので本数が多いベタ基礎の方が施主のコスト負担が増えてしまいます。

ですから、ベタ基礎が布基礎より優れている点を発揮できるのはごく僅かな限られた範囲での地耐力の中での話ですから本当はケースバイケースに応じて使い分けるのがベストということになります。




ベタ基礎配筋
布基礎配筋
杭工事の様子