
映画『Lilja 4-ever』
(監督&脚本:ルーカス・ムーディソン 主演:Oksana
Akinshina)
★★★★★★★★★★
『ショー・ミー・ラヴ』『エヴァとステファンとすてきな家族』に続くルーカス・ムーディソンの最新作。
旧ソ連とスウェーデンを舞台にした、(現実に行われている)売春奴隷犯罪/ヒューマン・トラフィッキングについて描いた映画である。当然、これまでの彼の特徴であったハートウォーミング路線になどなるわけもなく、徹底的にハードでダークな仕上がりとなった。
題材が題材だし、ルーカス・ムーディソンの製作の動機の一つとして「告発」という部分があったのは間違いないだろう。実際、ケン・ローチの『レディバード・レディバード』等の一連の作品と同じぐらい大きなしこりを観客に残すのは確実だ。
だが、それ以上に本作は、切り裂かれるような痛みに満ちた これ以上ないぐらいに誠実な青春映画であると思うし、真摯に「この世界で生きること」について向き合ったとんでもなくエモーショナルな作品であると思う。おいらは観ている間中、鳥肌が止まらなかったぐらいだ。『害虫』や『美乳暴行 ひわいな裸身』、『ブルックリン最終出口』のジェニファー・ジェイソン・リーのパート、そしてヴィターリー・カネフスキーの『動くな、死ね、甦れ!』や『ひとりで生きる』に何か感じた人ならば必見。
主演のOksana Akinshinaは、前述の『ブルックリン最終出口』のジェニファー・ジェイソン・リーや『害虫』の宮崎あおいに通じる「目の強さ」が素晴らしい。撮影時14歳でこれだけの役を演じきってしまった、というのは凄すぎる。彼女は間違いなくスターになるね。というか、なって欲しいっす。今作の演技にはそれだけの価値が十二分にあると思うので。
また、この作品はおそらく世界で初めてt.A.T.u.の楽曲を正しく使用した映画であろう。どうして彼女達が現地で大ヒットしたのか、その理由が少し分かったような気がした。
本作について上手く語れる程の言葉を私が持ち合わせていないのが残念でならないが、一つだけ言えるのはとにかく観ろ!という事。とても消耗させられる作品だし、もしかしたらひたすら不快に感じる人もいるかもしれない。でもとにかく観ろ。話はそれからだ。
・参照リンク→LILJA 4-EVER associated site(日本語)
・ルーカス・ムーディソンの前作『エヴァとステファンとすてきな家族』(こちらも傑作)はようやくこの秋に銀座テアトルシネマで公開決定。そして『Lilja 4-ever』は日本公開完全未定!マジでどっかの配給会社が拾ってくれ(追記:2005年にシネフィル・イマジカで『リリア 4-ever』の邦題で放映された。その後も繰り返し再放送が行われている)。
・ちなみに私はこの作品をスウェーデン盤のDVDを取り寄せて観ました。
・『ショー・ミー・ラヴ』はこちらのレビューとか読むと観たくなるんではないかと。
リリア 4-ever lilya 4-ever オクサナ・アキンシナ