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Summer

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初夏 桜の季節が終わる頃、萌えさかり、ありとあらゆる種類の「緑」で私たちを楽しませてくれた森の木々が、5月になるとその緑を一気に深くしてゆきます。

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 いつも迷うのです。いったい何月からを「夏」と呼んだらいいのかと。今年について言えばということですが、5月最後の日曜日の強い日差しの中で「ああ、夏が来たんだなぁ」と、私は思いました。

写真上:すみよしの森の木々の間からあかねの森を望む。
 

 この頃になると、森のあちこちで色とりどりの花が私たちを楽しませてくれます。それは野草であったり、樹木の花であったり、園芸種が野生化したものであったりします。

040522a_016s.jpg (8434 バイト) 薊(アザミ)には、大きく春から夏にかけて咲くものと、秋に咲くものの二種類があるようですが、これは春から夏に咲く野薊(ノアザミ)。恩田の森の日当たりのよい場所、あちこちで見ることができます。まったく別種ですが、同じような草丈、同じような色の花をつける赤詰め草(アカツメクサ)もほぼ同じ頃に見ることができます。

040522b_117s.jpg (6649 バイト) この黄色の花は野草ではありません。胡瓜(キュウリ)の花です。花の付け根に可愛い「キュウリ」があるのがおわかりいただけるでしょうか。
 胡瓜は森の畑、いたるところで栽培されていますが、これはなるせの森の谷戸の一番奥の畑のキュウリ。同じ仲間の南瓜(カボチャ)もあちこちで見かけます。色も形も似たような花ですが、こちらはキュウリの10倍ほどの大きさです。
 

040522c_016s.jpg (5744 バイト) あかねの森と宅地として開発された奈良二・三丁目の間の谷で咲く箱根空木(ハコネウツギ)。 「熊ヶ谷小川アメニティ」と名付けられビオトーブとして整備された場所ですので、おそらく植栽されたものと思いますが、その景観に良く馴染んでいます。同じ木に二色の花がついているのは、咲き始めが白でしだいに紅色に変化するためです。かつらの森の東側周辺部では自生のものと思われる箱根空木を見ることができます。
 
040522c_005s.jpg (5536 バイト) 同じ場所の小川沿いの紫蘭(シラン)。こちらも整備された小川の環境に併せて植えられたものだと思いますが、野生種とは思えない美しい花で楽しませてくれます。熊ヶ谷小川アメニティでは水棲生物の保護にも力を入れているようですが、隣接地に大規模マンションがあるために「自然のオーバーユース」となり、維持に苦労している様子が見てとれます。
 

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 上の写真はなるせの森の尾根筋の分かれ道。右に進むと雑木林の中の小径をくだり、県道長津田奈良線が通るあかねの森との間の谷筋に至ります。左に進むと都県境の小径を恩田の森随一の眺望を右手に見ながらを奈良3丁目当たりまで散策することができます。
 

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 かつらの森とすすみよしの森の間の谷戸の田んぼでは5月初めに水が張られ、代掻きも済み田植えの時を待っていました。恩田の森の田んぼでは5月下旬から6月上旬にかけての2週間ほどで次々と田植えが行われました。
 

040522b_0010s.jpg (14913 バイト) 虫取撫子(ムシトリナデシコ)。食虫植物というわけではなく、花のすぐ下の茎で粘液が分泌され、小さな虫が付着することからつけられた名前のようです。森のあちこちで、ポツリポツリとあるいは群生しているところを見ることができます。なるせの森ではピンクの花に混じって白い花を見かけました。
 
040515b_032s.jpg (7286 バイト) なるせの森の台地で見かけた母子草(ハハコグサ)、別名は御形(ゴギョウ)。芹(セリ)、なづな(ピンペングサ)、御行、はこべら(ハコベ)、仏座(ホトケノザ)、すずな(蕪)、すずしろ(大根)、と呼ばれる春の七草のひとつです。虫取撫子も植物図鑑では春の花として紹介されているようですが、ここでは春から初夏にかけて、恩田の森で咲く野の花として紹介いたしました。
 

梅雨 6月6日、入梅したらしいと報道された日に森に出かけてみました。爽やかな晴天であった前日には大勢の人が田植えが済んだばかりの谷戸を楽しんでいましたが、この日は訪れる人もなくひっそりとしていました。
 
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写真上:すみよしの森に続く小径。

040606a_033s.jpg (11997 バイト) 恩田の森の田んぼはどれも大きく四角にと、すっかり整備されています。もちろん田植え機を使っての田植えですから縦に横にまっすぐに苗が植えられるわけですが、時にこんな曲線美を見せて楽しませてくれることもあります。

040606_157s.jpg (4939 バイト) 多くの人の住むすみよしの森ではあちこちで紫陽花(アジサイ)の花を見ることができます。長雨で沈みがちな気持ちを引き立ててくれる花です。紫陽花は日本の固有種ですが、シーボルトが「オタクサ」の名前でヨーロッパに持ち帰ってからは園芸種として改良され、日本にもたくさん逆移入されています。残念ながら私にはどれが日本の固有種で、どれが園芸種の西洋紫陽花(ハイドランジャー)なのか区別がつきません。
 
 
 

 

 

 日本では春夏秋冬、4つの季節があると言われますが、1ヵ月以上にも及ぶ梅雨を、初夏と盛夏の間にある5つ目の季節と考えた方がよいのではないかと思うのは私だけではないかも知れません。

040606b_074s.jpg (7621 バイト) なるせの森の台地にある田んぼ。都県境の尾根道から少し下がったところに2枚の大きな水田があります。こんな高いところの水田の水はどうしているのか不思議ですが、どうやら地下水を汲み上げているようです。横浜市が災害時の緊急用として設置しているポンプ小屋の隣にあるのが農業用のポンプ小屋のようですが、どうでしょうか。

040606b_013s.jpg (8111 バイト) 恩田の森の唯一の川と言ってよい恩田川がすみよしの森とあかねの森の間を流れていますが、どうやらこの川から水を引くのは無理のようで、どの田んぼの近くにもポンプ小屋があります。左の写真はかつらの森すみよしの森の間の谷戸の田んぼ。右側に少しだけ見えているのがかつらの森、左側から伸びているのすみよしの森です。

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すみよしの森の民家の裏庭で咲く紫陽花。
 
 

盛夏 関東地方では7月13日に梅雨明けの発表がされましたが、それから2ヶ月間の長く飛び切り暑くて夏、恩田の森はうっそうと茂り、谷戸田の稲はすくすくと伸び畑や道端では色とりどりの花が訪れる人を楽しませてくれました。
 
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すみよしの森北東側の小谷戸からかつらの森を見る。
 
040719a_059s.jpg (11035 バイト)田植えから1月半。田植えの時には見るからに頼りなげだった稲もすっかりたくましく青々としてきました。
 手前の白い花は立葵(タチアオイ)。梅雨の始まりの頃に下のほうが咲き出し、一番上まで咲くと梅雨が明けて夏本番なのだと子供の頃に聞かされた記憶がありましたが、まさにそのように咲いていますね。写真はすみよしの森とかつらの森の間の谷戸田。

040717a_020s.jpg (7468 バイト)梅雨明けを待ち切れないとばかりに、7月に入ると森のあちこちで藪萓草(ヤブカンゾウ)が咲き出します。そして梅雨が明けると今度は野萓草(ノカンゾウ)。共にユリ科の植物で色も花姿も良く似ていますが、はその名の通り藪萓草は藪の中に、そして野萓草は日当たりの良い、田んぼの畦道などでその姿を見ることが出来ます。藪萓草が八重咲き、野萓草は写真の通りは一重ですから間違うことはありません。
 
 梅雨の終わりを待たずに咲き出し、盛夏の到来を告げてくれるのが百日紅(サルスベリ、写真:右)です。百日紅はその名の通り百日間、つまり夏の間中、次々との花を咲かせます。ピンクや白い百日紅もありますが、やはり夏には真紅の花が一番似合います。庭木として植えられることも多く、恩田の森のそこここで見ることが出来ます。

040719a_127s.jpg (11451 バイト)もうひとつ、忘れてはならないのがこの凌霄花(ノウゼンカズラ)。百日紅は森の中で自生しているものもありますが、こちらは所謂庭木。どの家にも、と言うのが大げさではないほどに、あちこちで見かけます。凌霄花も花期が長く、トロピカルなその花姿からも、夏を代表する花のひとつと言えるでしょう。
  
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 じっとしていても汗が流れ落ちてくる酷暑のなるせの森、台地の畑。なるせの森には他の3つの森と比べると比較的大きな谷戸となだらかな台地があり、いずれも恩田の森の中では大きな規模の畑となっています。左の写真左手は比較的新しく植林された杉の林です。その陰になっている部分に台地の田んぼがあります。恩田の森の他の田んぼと同じように、おそらくは農家の自家用として栽培されているのでしょう。
 
040719b_100s.jpg (11404 バイト)真夏日が幾日も続いた今年の夏、恩田の森もむせ返るような暑さが続きました。そんな日には可能な限り日陰となる場所を選んで歩きます。こうして写真を見ると涼しげですが、雑木林の中から外に出る時には多少の勇気が必要です。
 
040807a_059s.jpg (8322 バイト)8月初旬、すみよしの森で狐の剃刀(キツネノカミソリ、写真:左)が咲きだしました。1ヶ月後に彼岸花が咲いた、同じ場所で咲いていました。同じヒガンバナ科の植物ですので花の時期には葉がありません。
 
040807b_086s.jpg (6926 バイト)かねの森の「熊ヶ谷小川アメニティ」で咲いていた擬宝珠(ギボウシ)。もともと種類が多く、更に園芸種も多くの種類が栽培されているために、調べてはみましたが残念ながら正確な名前まではわかりませんでした。
 
 
040911a_077s.jpg (9886 バイト)韮(ニラ)群生。畑だけではなく、森の幾ヶ所で群生しているのを見ることが出来ます。畑から逃げ出したものが野生化ししたのでしょう。もちろん韮の臭いがしますが、なかなか愛らしい花を咲かせます。
 
040807b_187s.jpg (11150 バイト)森の中にきれいな小川でも流れていると涼しげで良いのですが、残念ながら恩田の森には川と言うものがほとんどありません。唯一、川と呼べるのはすみよしの森とあかねの森の間を流れる奈良川。恩田川の支流です。
 
晩夏 いつも思うのです。秋が来たかと思った次の日には真夏に戻ってしまったりと、季節の境目を特定するのは難しいものだなと。  南北に長い日本のこと、北海道と九州では季節の変わり目が1-2ヶ月近くも変わるわけですが、ここでは夏の終わりは稲刈りの前とすることにしましょう。
 
040906b_083s.jpg (7651 バイト)コスモスが咲き始める前、夏の盛りを過ぎた頃から森のあちこちで黄花秋桜(キバナコスモス)が咲き出します。黄花とは言っても実際の色はオレンジ色。私たちが親しんでいるピンクや白のコスモスとは多少種類が違うようです。

040906a_009s.jpg (9091 バイト)夏の間、道端の空き地を覆いつくした葛(クズ)も秋が近づいたことを知らせてくれる花です。蔓の繊維で布を織り、根はくず粉として食料に、花は薬にと、かつては実に有用な植物であったようですが、花も十分観賞に耐えられる美しさです。
 
 
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刈り取りの日が近づくなるせの森、台地の田んぼ。

 
 
6月初旬までを「初夏・梅雨編」として6月8日に公開、それ以降、
9月中旬までを「盛夏・晩夏」として9月23日に公開いたしました。

< 23 September. 2004>

 
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