「野良猫ロック セックス・ハンター」
「野良猫ロック」シリーズの第3弾。監督は長谷部安春。音楽は鏑木創。
米軍基地縮小政策のあおりをくって寂れた立川基地のバー街にアジトをおく、
性不能者バロン(藤竜也)とその情婦マコ(梶芽衣子)を頭とする
不良グループ”イーグルス”は最大の勢力を誇り無法の限りを尽くしていた。
ある夜、梶芽衣子は同じ不良少女グループのミキ(青木伸子)と些細な事からケンカ。
右手にナイフ、左手に懐中電灯を持ち、決闘を始める。
刃物を持たせた梶芽衣子に勝てるわけなく、ミキは刺されて仲間たちに連れられていく。
なんか空しい気分って感じぃ〜な梶は一人で野原に寝転んでいた。
そこに通りすがりの男・数馬(安岡力也)が現れる。力也が「禁じられた一夜」を歌いながら
現れる部分はは邦画史上屈指の名場面と言えよう。このシーンを見てカッコイイと思わない
者は虫ケラよ。
力也はハーフで自分の妹を探しに横須賀からやってきた。
ある日、ハーフの一郎(ケン・サンダース)がイーグルスのメンバー進(岡崎二郎)の女と
駆け落ち。怒った岡崎はサンダースをボコボコにするが、そこに力也が登場して助ける。
怒ったイーグルスは”ハーフ狩り”を始める。イーグルスのリーダー藤竜也は幼少の頃、米兵に
姉をレイプされたことから異常にハーフに恨みを持っているのだ。
藤竜也の残忍なやり口に嫌気がさした梶芽衣子は力也に味方する。そうするうちに
梶は力也に魅かれていく。インポの藤竜也はそんな2人に憎しみを抱くようになる。
で、最後は力也とイーグルスが決闘。藤竜也と力也がマシンガンで撃ち合って相撃ち。
2人とも死んで終わり。そんな映画。個人的には力也と藤竜也のキャラが強烈すぎて、
梶の存在がかすんで見えるが、映画自体が面白いので、お勧めの作品だ。
google検索 野良猫ロック セックス・ハンター
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野良猫ロック セックス・ハンター(DVD)
野良猫ロック サントラCD
(平成18年11月26日)
梶芽衣子その他の作品
梶芽衣子は「さそり」があまりにもハマりすぎていて、他の作品では
さほどインパクトを残していない。梶の出演映画で代表的なものは1973〜1975年頃に
集中してる。意外と息の短い女優だったのだ。
「現代任侠史」(1973年)
高倉健主演のやくざ映画。梶は高倉を追いかける週刊誌の記者役。他は
安藤昇、成田三樹夫、田中邦衛、夏八木勲など。
今回の梶さんはさわやかな役柄ということもあってか、鋭い目つきを見せない。梶芽衣子の
目がいかにデカいかが分かる。梶の顔のアップが多いのが嬉しい。
検索:「現代任侠史」
「やくざの墓場 くちなしの花」(1976年)
渡哲也主演のやくざ映画。渡は刑事。梶はやくざの女役。他は梅宮辰夫、成田三樹夫、
大島渚(!)、佐藤慶などなど。
検索:「やくざ くちなしの花 渡 梶」
「西部警察」の大門しか知らない者にとって、この頃の渡哲也のハチャメチャなキャラは
衝撃的だろう。病み上がりっぽい雰囲気は相変わらずだが。石原軍団系って
疲れた表情してる奴がなぜか多い。渡と梶が海の波打ち際で抱き合ってゴロゴロやってるシーン
が印象深い。ラストで流れる主題歌「くちなしの花」(歌:渡哲也)もグッとくる。
個人的に、いままで見たやくざ映画の中でも特に好きな映画です。
(平成16年5月23日)
「女囚さそり 第41雑居房」
梶芽衣子(かじめいこ)。あまりにも美しく、綺麗で、ビューティな女優。
1965年日活「悲しき別れの歌」でデビュー。
代表作は70年代前半の東映「女囚さそり」シリーズ。
TV時代劇「鬼平犯科帳」にも出演。
シリーズ1作目「女囚701号 さそり」解説はこちら
amazon.co.jp 「女囚さそり 第41雑居房」
「第41雑居房」はシリーズ2作目。監督は前回と同じ伊藤俊也。
1作目で夏八木勲を倒した梶芽衣子は再び刑務所へ。
所長・渡辺文雄は前作で片目をツブされた恨みから、徹底的に梶をイジめていた。
彼は異動が決まり、近いうち刑務所から出ることとなった。そして”置きみやげ”として、
なんと看守たちに梶をレイプさせるのであった。惨い。ただし前作ではヌードも披露した梶だが、
本作以降は脱がなくなる。




その後、梶は他の女囚・・・白石加代子、
賀川雪絵(東映「スパイダーマン」のアマゾネス役)等と共に脱走。
梶は、まず手始めに自分をレイプした看守・小松方正に仕返し。股間に杭を打ち付けて殺す。
逃げている途中、キチガイババアが登場。この辺りからまたアヴァンギャルド&アングラな
雰囲気になり、見ていて訳が分からなくなる。


ちなみにこの2作目では梶が歌う「女の呪文」がBGMで
使われていて、これがまたいい。
HMV 梶芽衣子「全曲集」
梶らは観光バスの客を捕まえて、バスジャック。しかし、行く手には
渡辺文雄&機動隊が。白石加代子は梶を囮にと、バスから突き落とす。


白石に裏切られた梶は捕まり、一方で白石達はバスに籠もる。渡辺文雄はバスの
中の様子を探るため、梶を白石の元へ。
実は映画が始まってから1時間以上、梶は一言も喋っていないのだが、
ここでやっと口を開き、「私を売ったね」。そう言い残した梶は渡辺の元に戻る。渡辺に
バスの中の乗客の様子を訊かれ、こう答える「死んでるよ」(←本当は客は生きている)。
結局、この映画での梶のセリフは「私を売ったね」「死んでるよ」だけである。
梶に騙された渡辺&機動隊は、バスに向けて発砲。女囚も客も皆殺しにする。
その後、梶はまたしても脱走に成功。刑務所を辞めて偉くなった渡辺に復讐開始。
渡辺文雄の乗っている車の前で人形(?)が宙を舞う!そして、
これが窓に突っ込む。何度見ても不可解な場面。



事故った渡辺文雄の前に、おなじみの黒装束を纏った梶様が登場。
この時の登場シーンも実にシュールだ。梶は超魔術の使い手のようだ。




梶はとりあえず車の中で文雄をグサリ。一気に殺さず、ジワジワと文雄を追いつめる。



1作目、2作目で活躍した渡辺文雄はここで死亡。梶はそのまま逃げて、
シリーズ第三弾へ突入する。
(平成16年4月4日)
梶芽衣子
梶芽衣子(かじめいこ)。女優。1947年3月24日生まれ。
1965年日活「悲しき別れの歌」でデビュー。
70年代前半の東映「女囚さそり」シリーズがあまりに有名。
タランティーノ監督の「キル・ビル」効果で再評価されている。
google検索: 梶芽衣子 さそり
「女囚701号 さそり」(amazon)
彼女の代表作であり、日本のB級映画の最高傑作である。
監督は伊藤俊也、音楽は菊池俊輔。
梶芽衣子は麻薬捜査官の夏八木勲に頼まれ、囮捜査に協力する。
しかし、敵に捕まりレイプされる(←お約束)。そこに上手いタイミングで夏八木が
登場。夏八木は麻薬組織をパクるが、裏でその組織と取引して大金を掴むのであった。
ここらへんはちょっと分かりづらいが、とにかく梶は夏八木に騙されていたのである。
この部分の回想シーンがあまりにアヴァンギャルドで爆笑必至。




夏八木が梶を口説き落として一発ヤるシーン。
映画の後半で夏八木が「俺が女にしてやった」と発言してるので、これは梶の処女喪失
である。白いシーツにくるまった梶。このシーツは処女の象徴なのだろう。
それを夏八木が引っ張って梶をコロコロ転がしてヒン剥く。そして、夏八木と梶が
ヤりだすと白のシーツが血で赤く染まる。しかも、なぜか日の丸の形になってしまう。
反体制思想が奥底にあるようだが、夏八木が梶を支配した・・ということなのだろう。
見事な描写だ。
夏八木が梶を裏切るシーンも凄い。悪党どもにレイプされて横たわっている梶の後ろで
舞台が回転。回転の仕方がぎこちなくて笑える。



梶は愛していた男に騙されていたことを知り、怒り爆発。
寝たままの状態で髪の毛が逆立っていく。照明がこれまたキツい。コワい。




梶は夏八木に復讐するため、警察署前に現れる。しかも、悪党にレイプされた時のままの
格好で登場。梶の恨みの深さを表現するためにはリアリティなどどうでもいいのだ。




梶は夏八木を殺すのに失敗。そのまま刑務所送りとなるのであった。
刑務所にブチこまれた梶は脱走を試みるがこれも失敗。
女囚全員、飯の量を減らされる。女囚達の怒りが梶に向けられ、
その後、梶VS女囚のバトルが始まる。
シャワー室で女囚の一人、三原葉子が暴走して梶を追いかけ回す場面。
三原はドアに顔をぶつけて完全にキレる。この瞬間、三原のメイクが
なぜか歌舞伎チックになって、怪談映画になってしまう。


三原はガラスの破片で梶を追いつめるも、間違って所長・渡辺文雄の目に突き刺して
しまう。怒った渡辺は三原の首を絞めて殺した挙げ句、女囚全員に懲罰を与える。
この懲罰がまた面白くて、土を掘って、次は埋める・・これを繰り返すという無意味な作業。
長い黒髪を振り乱しながら穴掘りする梶の姿は最高にセクシーだ。


次は「閻魔落とし」なる懲罰。深く掘られた穴の中で梶がさらに掘り続け、
他の女囚が上から土を入れて埋める。わけがわからん。




梶を嫌う女囚が、穴の外から梶に土をぶっかける。復讐大好きな梶は
一瞬のスキをついて、その女囚の足下を崩して、穴に落とすのであった。
過酷な懲罰で倒れた梶をさらにイジめまくる看守を渡辺やよいがシャベルで襲撃。
他の看守が渡辺を銃で撃ったため、女囚達は興奮。暴動(アバレ)になる。
梶を除く女囚達は看守を人質に倉庫に立て籠もる。夏八木に梶殺害を
依頼されてた横山リエは、この暴動の原因である梶の引き渡しを要求する
よう、他の女囚を煽る。所長・渡辺文雄も、女囚らが梶をリンチすれば気も鎮まる
だろう、ということで要求に応じる。
女囚のもとに引き渡された梶はリンチを受ける。縛られてチェーンで吊され、
棒でド突かれまくる。さらに横山リエの電球攻撃で焼かれる。その筋のマニアには
たまらない場面だ。



その日の晩、女囚達は皆眠りに入る。横山リエは梶を殺して逃げるため、
こっそり灯油をまいて火をつけようとする。ここで、梶の味方(?)の扇ひろ子が
気づき、横山は裏切り者だと他の女囚を煽る。今度は横山がチェーンで吊される。
このとき刑務所・看守軍団が倉庫内に殴り込む。混乱の中、梶は
倉庫内に火をつけ、このスキをついて脱走するのであった。


脱走に成功した梶はかつて自分をレイプした麻薬組織の連中を次々と殺す。


そして、夏八木との最終決戦。梶に殺されるのを恐れて、警察署内に逃げ込んだ
夏八木。エレベーターに乗ったら、そこには梶が!どうやって警察署内に
忍び込んだんだ。



夏八木は梶にナイフで刺されまくり、屋上に逃げる。でも、結局殺される。
夏八木は死ぬ直前、刺さったナイフを宙に投げるのだが、そこには
日本国旗が。ここで物語前半の梶&夏八木の情事シーンとつながるのではないか。
日の丸に投げつけられたナイフ・・・これは梶が夏八木から解放されたことを意味するのだろう。
「夏八木VS梶」→「権力(支配する者)VS大衆(支配される者)」・・深いねえ。
「女囚さそり」のテーマ曲は「恨み節」、歌は梶芽衣子、菊池俊輔作編曲、監督の伊藤俊也が詞を
書いている。「キル・ビル」の影響か、2003年にシングルCD「修羅の花/恨み節」が出た。
曲のタイトルの割には爽やかな歌声を聴かせてくれる。曲は演歌だが、
歌はニューミュージック風・・・といった感じで、演歌がダメな私でもスッキリと聴くことができた。
歌手としても再評価すべきだろう。2004年3月にはベスト盤が発売された。
HMV:梶芽衣子「修羅の花/恨み節」、「全曲集」
(平成16年3月28日)