共同アンテナにおける、地上波デジタル対応案

共同アンテナの種類


   共同アンテナには、大きく分けて二種類有ります。

   ひとつは、マンション・アパートなどの共同住宅で、一世帯ごとにアンテナ   を屋上もしくはベランダに設置するのでは無く、屋上にアンテナを一基設置し、   そこから各世帯及び各部屋にテレビの配線を行いテレビを受信する方法です。
   現在の共同住宅のほとんどは、この方法となっています。

   もう一つは、高層ビル、高架道路、送電線などによるテレビ電波障害を改善   するために設置されたものがあります。
   このページでは、こちらの共同アンテナについて掲載されています。

   なお、後者の共同アンテナは、昔ケーブルテレビと呼ばれていましたが、最   近のケーブルテレビとは意図が異なるため、区別しました。

共同アンテナの設置方法

   受信点(アンテナを設置する場所)

     高層ビル − 通常は、電波障害を起こしたビルの屋上に、ビル自体の            アンテナとは別に設置します。

     高架道路 − ビルと違い、道路本体にはアンテナが設置出来ない為、            最寄りの公共の建物の屋上を借りてアンテナを設置する場            合が多いようです。

     送電線  − 高架道路と同じで、本体にはアンテナが設置出来ないた            め、最寄りの公共の土地の一部を借りて複数の電柱を建て、            電柱の上にアンテナを設置する場合が多いようです。

     幹線・分配線(テレビの電波を電送する線路)

     軒先配線 − 共同アンテナの利用者の軒先に線路を固定して軒先から            軒先へ配線する方法です。
            小規模なら可能ですが、各家屋の建て替え等による線路            の移設、改修が必要になります。

     電柱配線 − 電力会社、電話会社等の既設の電柱を借りたり、新しく            電柱を建てたりして、その電柱に線路を固定して、電柱か            ら電柱へ配線する方法です。
            基本的に電柱は道路に建っている為、家屋の建て替えに            よる移設、改修はほとんど有りません。
            ただし、電柱を借りる場合は管理者の許可と借料が必要            となり、さらに電柱間の配線や新しく電柱を建てる場合に            も土地の管理者の許可が必要となります。

共同アンテナの維持管理


   原因者管理
     共同アンテナ設置後、原因者が管理を行う方法です。
     住宅・都市整備公団、住宅供給公社、大手マンション販売会社、電力会     社にこの管理方法が多く行われています。
     この場合の、管理の期間(補償の期間)は決められてないことが多いよ     うです。
     故障修理や家屋の建て替えに対する対応方法は
      1 受付は原因者(管理者)で行う。
      2 修理及び工事は委託業者に外注する。
        ほとんど場合、工事を行った業者が行う。
      3 修理に関しては、修理用の部品が準備されていないことがあり、        修理に数日要することもあるようです。
      4 費用は、工事については全額利用者負担のことが多く、修理につ        いては原因により異なります。

   組合管理
     共同アンテナ設置後、共同アンテナ利用者で組織された組合が管理を行     う方法です。
     新幹線、鉄道高架などにこの管理方法が行われています。
     管理の期間については、新幹線の場合は利用者数に応じて年間予算が決     められているだけで、期間については決められていないようです。
     ただし、国土交通省がからむ高架事業の場合、20年の期間が多いようです。
     故障修理や家屋の建て替えに対する対応方法は
      1 受付は組合長もしくは組合役員が行う。
      2 修理及び工事は委託業者に外注する。
      3 修理に関しては、修理用の部品が準備されていないことがあり、        修理に数日要することもあるようです。
      4 費用は、工事については全額利用者負担のことが多く、修理につ        いては原因により異なります。
      ※新幹線の場合、新しく引っ越してきた家には利用を認めてないよう       です。

   業者管理
     共同アンテナ設置後、共同アンテナ利用者で組合を組織し、管理を共同     アンテナ管理の専門業者に委託する方法です。
     高架道路、再開発高層住宅などにこの管理方法が行われています。
     管理の期間は、建設省の補助金が支給されている場合が多いため、20     年の期間がほとんどです。
     故障修理や家屋の建て替えに対する対応方法は
      1 受付は業者が直接行う。
      2 修理及び工事は業者が行う。
      3 修理に関しては、修理用の部品が準備されているため、当日修理        が原則です。
      4 費用は、工事については全額利用者負担のことが多く、修理につ        いては原因により異なります。

共同アンテナの導入費用

   では、共同アンテナを使用するのにどの位の費用が必用なのでしょうか?
   この費用は、事業者や地域によりかなりの格差が有るようです。

   当社が行っている工事の例を挙げてみましょう。

     場所は名古屋市郊外でテレビ棟から約7kmの地域です。      名古屋市内にある高層ビルの遮蔽障害で共同アンテナが設置されていま
    す。
     新しく木造2階建ての家が建築されました。
     テレビ端子数が4カ所有り、テレビ3台、VTR2台を所有しています。

     町内の人に紹介してもらい共同アンテナに加入することにしました。
     ビルによる補償工事が完了した後に加入するには、実費の負担が必用と
    のことです。

     加入に必用な費用
       共聴組合加入金      2,000円        引込工事費       35,000円
        (電柱の端子から軒下まで)
       宅内工事費       30,000円
        (ブースターの取り付け等)
        合 計       67,000円
       ただし、
       電柱の端子が無い場合 +35,000円
       近くに端子が無い場合 +80,000円(30〜35m程度)

       工事費の他に管理費が必用になります
       管理費(月額)        500円

       以上の様な費用が必用となります。
       アンテナを設置する費用に比べると高いですね。
       しかし、アンテナで受信できなければしかたないですよね。


共同アンテナにおける、地上波デジタル対応案

 

222MHz(250MHz)施設への導入


 222MHzの施設で、地上波デジタルの信号をダウンコンバートして伝送する。 


 NTSC−AM信号7波(VHF)が伝送されている施設で、OFDM信号8波(MI
D)を追加し、計15波を伝送する。
 NTSC−AM信号に対して、OFDM信号を−10dBで伝送する。  もし、0〜−5dBで運用すると、CSO、CTBが大きく劣化し、S/Nも劣化する。
 

UV伝送施設への導入

 UV伝送の施設で、地上波デジタルの信号を伝送する。


 NTSC−AM信号7波(UHF7波)が伝送されている施設で、OFDM信号9波(
UHF)を追加し、計16波を伝送する。
 NTSC−AM信号に対して、OFDM信号を−10dBで伝送する。    増幅器の出力レベルを4dB下げる。
 もし、出力レベルを下げなかった場合、XMが急激に劣化する。
  

 

770MHz施設への変更

 地上波デジタルはUHFで放送され、チャンネル数も多くなるため、VHFに変換して
伝送することは出来ない。
 UHFをMID、スーパーHIGHに変換して再送信することも可能だが、各テレビに
コンバーター(HT、STB)が必要となってしまう。

 こうした費用がかえって高額となるため、現状の施設を、770MHzの施設に変更し
て地上波デジタルの信号を伝送する。

 222MHz施設→770MHz施設


     NHK仕様の施設であれば、各メーカーから対応機種が販売されている。

   


 250MHz(TCV)施設→770MHz施設


   ある事業者が、メーカーと協力してオリジナル製品を開発し、使用している。
     幹線の運用レベルを変更することで対応した。
     TOの運用レベルは現状どおり。
     幹線増幅器等の電源を30Vから60Vに変更。
     TOラインは30Vしか通電できない仕様の製品が多いため、60V→30Vの変圧器を開発。
     幹線系は60Vで運用、TO系(EA含む)は30Vで運用。
     更改工事を兼ねて行えば、コスト面でかなり有利となる。

 300、450MHz施設→770MHz


   対応する機器が各メーカーより発売されている。
   機種によっては、筐体は取り替えずに内部ユニットだけを取り替えられる物もある。