『陰茎譚・萌芽編』

※この小説は『おちんちんびろ〜んbot』のトリビュートn次創作(二次創作)作品です。



 "――おちんちんとは何なのか、びろ〜んするとはどういうことなのか。結局まだだれも真実にはたどり着いていないのではなかろうか――"(21世紀の民間猥歌より)



『陰茎譚・萌芽編』



【1】

 わたしがはじめてみたおちんちんは、ひろきくんのおちんちんさんでした。お昼休みの時間に、ひろきくんがお友だちといっしょにおちんちんの見せあいっこをしているときに……。生き物係でお魚にえさやりをやっていたから、そのそばでひろきくんたちが見せあいっこをしていて、それで、見えてしまったの。

 半ズボンをぐいっとさげて、「おれのちんこのほうがつねちゃんよりでかいもんね!」とおちんちんをびろ〜んと見せびらかしたひろきくんのえ顔は、とってもすてきで、ひろきくんのおちんちんさんは、お父さんの親指くらいの大きさで、白っぽくて、かたちはとうがらしみたいで、すごくやわらかそうで、ふらふらとゆれていました。さきっぽのほうは、きんちゃくぶくろをしばったようなかたちになっていて、根本のほうには、しわしわのふくろが二つならんでいます。

 ひろきくんのおちんちんさんが、他のみんなのより大きいのかどうか、その時のわたしには分かりませんでしたけど、お友だちのみんなは「おおーひろくんすげー」とおどろいているようでした。わたしは、すっかりおちんちんさんに見とれてしまいました……ふわふわで、ゆれているの。ふしぎなかたちです。男の子には、あんなのがついてるんだ。なんでついてるのかな。なんでわたしにはついていないのかな。

「こら男子! えっちなことはやめなさい!」

 はっとして声のほうをみると、クラス委員のあきちゃんがまゆ毛をぐいっとつりあげて、両手をこしに当てて、こわい顔をしています。男の子たちはおおあわてで、ひろきくんもいそいでズボンをあげチャックをしめましたが、急に「ぐえぁっ!」とへんな声をあげました。他の男の子たちがびっくりしてひろきくんのこしのあたりをのぞきこみます。おちんちんさんが、見えなくなりました。

「まったくぅ…… ねえ××ちゃん、ああいうの見つけたら、ちゃんと注意しなさいよね!」

「……えっ? あ、うん、はい。ごめんねあきちゃん」

 びっくりしてえさの箱を落としてしまいました。

「大じょうぶ? ぼーっとしちゃって」

「う、うん、大じょうぶだよ、あきちゃん」

 あきちゃんがわたしの顔をのぞきこみます。きれいなあきちゃん。でもわたしは、おちんちんのことが気になっていました。考えれば考えるほど、ふしぎ……。そして、ちょっとかわいい。男の子たちは、あまりかわいくないけど、おちんちんは、女の子よりかわいいな。ふしぎだな。

「ほんとに大じょうぶ?」

 チャイムがなって、お昼休みがおわりました。



【2】

 それから毎日、学校の図書館でおちんちんのことを調べたり、インターネットでおちんちんについて調べようとしましたが、し書の先生にはおこられるし、「ふぃるたー」のせいでインターネットではほとんど何も分からないしで、おちんちんのなぞは深まるばかりです。あきちゃんに聞いてみてもあきれた顔をされちゃったし、ひろきくんたちはなぜか赤くなってぶつぶつなにか言ったあと、「××のへんたーい!へんたーい!」とはやしたててにげてしまいました。

 お父さんやお母さんに聞くのは、なんだかはずかしいような気がしました。あきちゃんもそれはやめておけ、というので、ある夜わたしはこっそりお兄ちゃんのへやに言って、「おちんちんについておしえて」と聞きました。

「は? え? ……ええっ!? ば、うは、ちょ、おま、え、これなんてerg」

 お兄ちゃんはあきらかにびっくりしていて、ちょっと気持悪いくらいでしたが、しばらくぜえぜえはあはあしたり、びくびくしたり、もぞもぞしたりしたあと、おおきくせきばらいをして、言いました。

「こ、公民館のPCならフィルターかかってないから、そこで調べなさい」


 お、ち、ん、ち、ん……。
 
 日曜の朝、お母さんの作ってくれたおべんとうをもって公みん館にやってきたわたしは、さっそく公みん館のパソコンでおちんちんについて調べることにしました。ポニーテールにTシャツ、ジーンズというかっこいいふくそうがピッタリにあうあきちゃんは、やっぱりあきれ顔で、「つき合えっていうから来てあげたのに……」と言いましたが、わたしの「チテキコウキシン」は誰にもじゃまできないのです。

「ふ〜ん、アレって、えーと、その、お、おしっこ?するところなのね……」

 なんだかんだ言って、あきちゃんもきょうみしんしんです。なんでか顔の赤いあきちゃんとふたりで、クーラーのすずしい公みん館でお昼すぎまで、おちんちんについて調べました。むずかしい漢字や言葉がいっぱいで分からないこともいっぱいあったけど、色色分かってきます。おちんちんは、男のひとだけについている。おしっこをするところ。赤ちゃんもできるみたい(すごい!)。さわっているときもちよくなる(?)。おとなのおちんちんは、大きくなったりちいさくなったりする。しゃべらない。

「あれ、この写真のおちんちんは、ひろきくんのとちがうなぁ」

「う、うん、そうね……」

「もっとでっかいね。色も黒いし、かみの毛がはえてる。さきっぽがへんなかたち」

「……」

「あきちゃんは、おちんちん見たことある?」

「えっ? う、うん……お風呂で、お父さんのを」

「そっかー」

 その日は、ふたりでいっしょにおべんとうをたべて、帰りました。



【3】

 わたしはひとり、駅前の「ふぁろす像」前で待っていました。白い、お花のがらのふりふりがついたワンピースに、お気に入りのむぎわらぼうし。うすいピンクのサンダルをはいて、わくわくしながら。

 あれからも何回か公みん館に行って、インターネットでおちんちんについて調べました。そうして見つけたある「掲示板」で、しんせつなおじさんと知り合ったのです。わたしがおちんちんについてきくと、色んなことをおしえてくれたり(むずかしくてよくわからなかったけど……)、自分のおちんちんを写真で見せてくれたりしました。そしてきょう、そのおじさんがわたしに会ってくれるというのです。わたしはどきどきして、わくわくして、待っています。

 ケータイがぶるぶるとふるえて、わたしはおじさんかな、とおもってパカッとケータイを開いて見てみましたが、あきちゃんからのメールでした。

[やっぱりそのおじさんと会うのやめときなよ]

 むしです。あきちゃんはしんぱいしょうなのです。

 お昼すぎ、ようやくおじさんがやってきました。つるつるのあたまに、おひげ。さらりーまんのかっこうをして、おなかがでっぷりおおきくて、汗をかいています。にやにやと、うれしそうなえがおであいさつをしてくれました……前に見せてもらった顔写真と同じ顔です。

「××ちゃんだよね? そうだよね」

「あ、はい、××です、こんにちわ」

「うは、うひ、あ、ああ、こ、こんにちわ〜☆ え、えへへ、×、××ちゃん、うわ〜、かわいいねぇ〜、ひひ、ね、かわいってさ、おともだちにも、いわれるでしょ」

「そうかなぁ〜。男の子にはいわれないです。あきちゃんは言ってくれるけど」

「え、そうなの、なんだ、その子たちはわかってないねぇ。お、お兄さんは××ちゃんとっても可愛いと思うよぉ。そのあきちゃんってのは友だちかい? その子にも会いたいなあ」

 おじさんは、なんだかあわててるみたいで、お兄ちゃんみたいなかんじがしました。それでも、アイスをかってくれたので、お兄ちゃんよりはいい人じゃないかとおもいます。すぐにでもおちんちんのはなしを聞きたかったのですが、そのことを言おうとするとすごくびくっとして、わたしのはなしをさえぎります。おもちゃやさんとか、カフェとか、色んなところにつれていってくれますが、なかなかおちんちんのことをおしえてくれません。店員さんには、「いやあ、たまには娘と一緒にね」なんてことを毎回いいます。たのしいんだけど、あきてきちゃいました。ああ、あきちゃんにもメールかえさないと……。

 しばらくして、古い公園にやってきました。わたしたちのほかに人はいなくて、駅からもとおいところです。木がいっぱいはえてて、ざわざわいっています。まえに、先生から、近づいてはだめだと言われた場所のような気がします。すこしこころぼそかったけど、おじさんがずっと手をにぎっていてくれるので、だいじょうぶでした。おじさんの手はあせでぬめぬめします。

 おじさんは、わたしを公園のすみにおかれた土かんの中に連れていきました。暗くて、じめじめしています。おじさんのいうとおりに、わたしはその中にすわりました。おじさんは息をあらくしていて、ごくり、とつばをのみこみます。

「く、靴を脱いでね」

「うん……」

「ね、足、こっち向けてね。うん、こっち。そうそう」

「んんっ、くすぐったい……」

「やわらかいねぇ。ちょっと汗かいちゃったかな? 少し蒸れてるねぇ」

 さすがにちょっと気持悪いです。


「ね、××ちゃん、おちんちん、見たいんだよね? そうだよね?」

 おじさんはそう言って、ズボンのベルトに手をかけました。目をまんまるにひんむいて、わたしのからだをじっと見つめて……。すこしこわかったけど、わたしはゆっくりうなずきました。おじさんのまたのところがなんだかふくらんでいることに、いまさら気がつきました。

「よ、よーし、い、言ったからね? ××ちゃん言ったからね? ××ちゃんが見たいんだからね? おじさん悪くないよね? ××ちゃんが淫乱だから仕方ないよね?」

 おじさんはなんだかわけのわからないことを言って、ひろきくんみたいに、ズボンをずりおろしました……。


 なんて……なんて、みにくい、おちんちん。


 とてもふとくて……黒くて、さきっぽはむらさき色で、白いごみがこびりついていて、ふくらんでいて……毛むくじゃらで、すじがぼこぼこしていて、ときおりびくん、びくん、ってはじけるみたいにゆれて……。

 すべてが、すべてが、ひろきくんのかわいいおちんちんとはちがいます。前に、インターネットでみた写真に、こんなのがあったかな……。おじさんのおくってくれた写真ともちがいました。わたしが見たかったおちんちんは、そこにはありませんでした……。おちんちんのふくらんだところには、小さな穴がたてにあいていて……そこは、真っ黒で……まるで、そのおくに目があって、ぎらぎらと、こちらをにらんでいるような……すいこまれそうな、とても、こわい…… ふっと、おちんちんがぼんやりして、そのむこうに、おじさんの顔がみえます。ああ、にごった目で、わたしのことを見ています。足を、ふくらはぎを、こしを、おなかを、それからにのうで、むね、くびもと、みみ、くち、はな、目、かみ……。びくり、と、またおちんちんがはねました。わたしのからだも、びくり、とします。

「ほ、ほら、これが、おちんちんだよ…… か、かわいいだろ? ね、ほら、さわってごらん? ね?」
 
 おじさんが、いえおちんちんが、わたしに近づいてきます。わたしの鼻さきに…… つんとするいやなにおい。顔をそむけたくなるようなにおいではなくて、からだのうちがわにしみついて、いやなのに、にげられないようなにおい……。しんぞうがどきどきして、せなかがあせでつめたくなって、わたしがなにもできないでいると、とつぜんおじさんがどなりました。

「おいっ! 触れっつってんだろこのクソガキ!」

 とてもおおきな声。こわくて、手がふるえて、なみだがでてきてしまって…… そうだ、ケータイ。あきちゃんに……! わたしはポーチからケータイをとりだそうとしました、でも、だめ。

「あっ」

 おじさんの手が、わたしのうでをつよくにぎって……い、いたい!

「このクソガキ……ててて、てめえから誘ったんだろ売女がっ! くそうぜぇ、むりやりちんぽいれるぞっ、おい殴られてえか! しゃぶれよ!」

 おちんちんが、むりやり、わたしのくちに……。ぬるぬるして、おじさんの力がとてもつよくて……。やだ……やめてよ……!


 そのときでした。とつぜん、おじさんがぐえっとへんな声をだしたかとおもうと、姿がみえなくなったのです。おじさんがいなくなって、土かんのなかにお日さまがさしこんで、ぱっとあかるくなりました。

 なんだろう?

 おどろいてなみだもとまってしまったわたしは、なみだをふきながら土かんのそとに出ました。

 おじさんは、そこにいました。みにくいおちんちんをぶらぶらさせたまま、じめんにたおれて、びっくりした顔をしています。ズボンが足にひっかかって、立ち上がれないみたい。そして……。

 そして、そのよこに、"におうだち"を……よくあきちゃんがやってるみたいに"におうだち"をした、おちんちんさんが、いたのです。


「YES,Lolita, No touch... これ自体が詭弁だが、建前すら守れないとはなっ!」

「な、なんだお前は……っ」

「俺はファロスが嫌いだっ! なるほど、俺もまたファロス的ではあるかも知れないっ! でもだからこそ俺は、あんたのファロスが嫌いだっ!」

「な、なにいって……警察呼ぶぞ!」

「ほぅ、呼ぶが良いっ! 呼べるものならなっ! あんたのファロスが萎える前に、鉄の手錠でそれを縛り上げてもらうかいっ!」

 おちんちんさんの声はろうろうとしていて、それでいてここちよいものでした。おじさんは、だらだらと汗をたらして、動くこともできません。

「陰茎折れろっ!」

 おちんちんさんはそういっておじさんにとびかかると、左手でおじさんの目をふさぎ、右手で……たくましい右手で、がしっと、おじさんのみにくいおちんちんをにぎったのです。

「うひゃあ!」

「溜まってるんだろっ? 抜いてやるぜっ…… オルガスムスが常に自分の思い通りにやってくるとは思うなよっ。俺は地上では誰よりコレに詳しいんだっ。アナルはそっとしといてやるから、ありがたく思いなっ!」

 おじさんは、それでも動けませんでした……。

「お嬢ちゃん、安心しておうちに帰るんだっ。君が見るべきものじゃないっ!」

 おちんちんさんはそう言いましたが……わたしは、そのばをうごけませんでした。この光景を、見のがしたくは、ありませんでした。あの、たくましいゆびがしめあげる、みにくいおちんちん……。

「よ〜し、覚悟があるなら、よく見ておくんだっ! "おちんちん"とは如何なるものかっ!」

 おちんちんさんが、右手で、おじさんのおちんちんを、しごきはじめました。上へ下へ……すごいはやさです。ふくらんできのこみたいなかたちになったところの、根本のところにゆびをぐいぐいとあて、ひねるような動き、しごくような動き、なでるような動き……。それは、とてもきれいな動きでした。おじさんのおちんちんはびくんびくんとはね、そのたびにおじさんがへんな声をあげます。口から泡をはいて……。

「おっさんっ! あの子はもうここにはいないぜっ! 幼い少女の前で射精するといった……下衆な欲望が満たされることもないんだっ! あんたはこのうら寂れた公園で、俺と二人っきりで、俺の手によって、盛大に射精するほかないのさ……っ!」

「や、や、や、やめてくれぇっ……で、で、で、……あっ」

 それはたぶん、ふん水でした。

 おちんちんさんの手のうごきがこわいくらいにはやくなって、おじさんのおちんちんがいままでにないくらいに大きく、つよく、ふるえて……さきっぽから、白いふん水が、いきおいよくとびでたのです。一回、二回、三回……。おちんちんのふるえにあわせて、しぼりだされるように……。おじさんはよだれをダラダラだらして、あへあへ、となさけない声をだしました。白いお水は、じめんにとびちりました。ゼリーのようにもみえます。

「あ、ああ……ああああ……」
 
 目かくしされたままでしたが、おじさんは、泣いているみたいでした。先生におこられたひろきくんみたいに……なみだが、とまらないみたいでした。

「まだいたのかお嬢ちゃんっ。こいつをよく見ておくんだっ!」

 わたしは身を乗り出して、おじさんのおちんちんをのぞきこみました。ああ、なんていえばいいんでしょう……とても、とてもふしぎなことがおこったのです!  びくびくとうごくことをやめたおちんちんは、ゆるゆるとゆれたあと、みるみるうちに、しぼんでいくではありませんか……! かたくて、くろくて、みにくかったおちんちんが、いやいやするみたいにふるえて、ちぢんで、さいごにはしなびた、とうがらしみたいな、ひろきくんのおちんちんみたいになってしまいました。色はくろいけど、まだいくらかかわいい……。わたしの見たかったおちんちんです。

「折ってやっても良かったんだがな……。これが、"ちんこ"だっ。萎びたファロス、権威を失った、自然体の男根っ! 欲望を持たない、清らかな排泄器官だ……っ!」

 おちんちんさんが言いました。とてもやさしい声でした。風がふわりとふいて、汗ばんだわたしのからだをひやしてくれます。ふと見あげると、青い空ににゅうどうぐもがもこもことふくらんでいました……。

「びろ〜ん。びろびろ〜ん」

 しなびたおちんちんを、ひっぱってみました。つねって、ひろげて、指ではじいてみました。やわらかいおちんちんはそのたびに、そのたびに、かわいく身をよじって、ごめんなさいをするみたいにしおれてしまいます。

「そのくらいにしといてやれ……。そいつにも悪気はないのさっ。愛と生を司る、人類にとって大切な器官だっ。だが、自制のきかないファロスは折ってやらにゃならない……それは人間の所業ではないからっ! 硬くなったファロスは、それ故に傲慢で、折れやすいっ」

「あの、」

「いいかいお嬢さん、"おちんちん"ってのは、あんたが思ってるよりも度し難く怖いものなんだっ! それを身につけた男には、気を許しちゃならねえ。わかるなっ?」

「は、はいっ」

「もし仮に、今度またこうやって驕り昂ったファロスに出会っても……俺がやったようにしちゃならないっ。そのときは、ボキッと折ってやれっ! へし折るんだっ。いいなっ」

「うん!そうします!」

「ははは、返事は好しっ。いい女になれよっ!じゃあなっ」

 おちんちんさんはそういいのこして、ずるずると気をうしなったおじさんをひきづりながら、さっていきました。すずしい風がふいて、木々がゆれ、カナカナがなきはじめました。夏のプールみたいなつんとするにおいだけが、あとにのこされたのです……。



【4】

「どうしたの? なんだかうれしそう」

 朝のそうじ当番をしていたあきちゃんは、わたしの顔を見るなりいいました。

「べっつに〜」

 わたしはぎゅ、っと、あきちゃんの手をにぎります。

「ちょっと、なによ」

「うふふ、あきちゃんかわいい〜」

 なんだか、そんなきぶんだったのです。"たい"はないのです。

「前へっ!ならえっ!」

 校庭のほうが、がやがやとうるさいです。聞きなれない声がいっぱいしていました。

「あれ? なんだろ」

「ああ……。兵たいさんたちがくんれんやってるんだって。"ファロス解放軍"とか」

 べったり抱きついたわたしを引きはがしながら、あきちゃんが教えてくれました。

「ふぁろすかぁ〜」

「や〜い! へんたいれずおんな〜!」

 ふりむくと、ひろきくんが友だちといっしょにわたしをはやしたてています。わたしがあきちゃんに抱きついているのが、気にいらないみたい。ひろきくん、あきちゃんが好きなのかな?

「ちょっ、ちがうわよ! どこでそんなことばっ!」

 おこったあきちゃんがわたしを振りほどいて、ホウキを振りまわして男の子たちを追いかけると、男の子たちはきゃっきゃとさわぎながら逃げ回ります。つねくんとしゅうちゃんが転びました。

「わっ」

 よそ見をして逃げてきたひろきくんが、わたしにぶつかりそうになりました。「整列〜すすめっ!」と、とおくから声が聞こえてきます。

「な、なんだよ××」

「むふふ〜」

 わたしは、ひろきくんの、ふわふわしてかわいいおちんちんさんを思い出しながら、大きな声で、言いました。

「おちんちんびろ〜ん!!!」

<Fin>



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